会計監査とは何ですか?
2017/10/31
一定規模以上の社会福祉法人は、平成29年4月以降、会計監査人を設置しなければならなくなりました。
では、会計監査人(公認会計士)が行う会計監査とは何なのでしょうか?
会計監査人(公認会計士)が行う会計監査とは、
企業やその他の組織体の作成した決算書がルールに従って正しく作られているかどうかを、確認すること
です。
一般に、公認会計士による会計監査は、上場企業に対して行われることが多いですが、学校法人や労働組合に対しても法律で監査が義務付けられています。
そして平成29年4月1日以降は、一定規模以上の社会福祉法人にも公認会計士による会計監査が義務付けられることになりました。
なぜ会計監査が必要なのでしょうか?
それは一義的には、利害関係者を保護するためと言われます。
もし決算書を利用するのが、決算書を作成した会社や組織だけであれば、会計監査は必要ないのかもしれません。
正しい決算書を作成していようがいまいが、本人はそのことをわかっているからです。
しかし実際には、その企業や組織と取引のある企業、お金を貸している金融機関、その企業に投資している投資家など、決算書を作成した会社や組織以外の人も、その決算書をもとに信用調査を行って取引をするか、お金を貸すか、投資をするかどうかを決めています。
自分で作った決算書、
私は決算書を正しく作りましたと言うだけで、信じてもらえるでしょうか?
もちろん、既に人間関係がある人であれば、○○さんが作った決算書だから正しく作っているだろうと信じてもらえるかもしれません。
しかし、決算書を見る人が全て人間関係が構築で来ている人とは限りませんし、人間ですから間違ってしまうこともあります。
そこで、
決算書がルールに従って、正しく作成されていること、会計ルールに精通した独立の第三者に証明してもらう
必要が出てくるのです。
また、会計監査を受けることは、利害関係者だけでなく、会計監査を受ける企業や組織にもメリットがあります。
それは、自らの作成した決算書の正しさを専門家たる第三者に証明してもらうことによって、利害関係者は安心してその企業や組織と取引をすることができるようになるということです。
わかりやすい例で言えば、金融機関からお金を借りる時、もちろん金融機関も必ず審査を行うので、会計監査を受けていなくても借りることはできますが、公認会計士による会計監査を受けていることで、お金を借りやすくなったり、より有利な条件で借りることができるというメリットがよくあります。
つまり、会計監査を受けることで、自らの正しさを証明することができるので、会計監査を受けた企業や組織の事業活動がより円滑に回りやすくなるというメリットがあるのです。