会計監査業務の流れ
2016/08/25
初めて会計監査を受ける場合、どういう流れで監査が進んでいくのか不安に思われるかもしれませんので、ここでは監査の大まかな流れを見ていきましょう。
初めて監査を受ける場合は、大きく次の流れで進んで行きます。
1.予備調査
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2.監査契約の締結
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3.監査計画の立案
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4.監査手続きの実施
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5.監査意見の形成
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6.審査
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7.監査報告書の提出
一つ一つ内容を見ていきましょう。
1.予備調査
監査の依頼が来ると、公認会計士は、きちんと監査ができる状況にあるかどうかをチェックします。
監査を受ける法人が監査に協力する体制にあるか、監査に対応可能な内部統制が構築されているかどうかなどを調べます。
監査は1円単位で法人の全ての取引をチェックするわけではないので(それは物理的に不可能なので)、監査に協力して資料を見せてもらえそうか、資料がある程度きちんと整理されているかなどを確認します。
不都合な資料を隠されたり、帳簿をつける体制があまりにもずさんだったりなど、会計監査人として適切に監査をできる状況にないと判断した場合は、監査の依頼をお断りすることもあります。
しかし、これまで普通に法人運営をされてきていれば、この段階で監査の依頼自体が断られることは少ないでしょう。
2.監査契約の締結
予備調査で大きな問題がなければ、正式に監査契約を締結します。
監査契約は1年契約で、どちらか一方あるいは双方から契約の解除の申し入れが無い限り、毎年契約の更新をしていくのが一般的です。
3.監査手続の開始
法人の内部統制の整備・運用状況や事業全般を分析して、間違いが起こりやすい箇所をピックアップします。
この間違いが起こりやすい箇所をリスクと呼びます。
会計監査は、限られた予算と時間の中で決算書が概ね正しいということを証明する制度です。
従って、法人の全部の取引を確認できるわけではないので、このリスクにフォーカスして重点的に監査することによって、効率的で有効な監査を実施します。
そのための手続きの実施計画をまず立案することになります。
4.監査手続の実施
立案した監査計画に基づいて具体的な監査手続を行います。
監査は通常数人のチームで編成され、「固定資産」や「販管費」などの勘定科目ごとに担当者が決められ、監査手続を効率的に行い、監査証拠を積み上げていきます。
5.監査意見の形成
それぞれの勘定科目の担当者が、その勘定科目に誤りがないと確信できるところまで調べがつくと、その業務の過程を監査調書にして責任者に報告します。
責任者はそれらの報告をまとめて相互の関連性や整合性を見ながら、全体としての正しさを検討し、最終的に決算書が適正かどうか監査チームとしての意見を形成します。
6.審査
監査チームの結論を、その監査に携わっていない別の公認会計士が客観的な視点でチェックします。
これを「審査」と呼びます。
監査法人では、監査チームに加わっていないベテランの公認会計士が、監査チームの判断が適切かどうかを確認します。
公認会計士事務所の場合は、別の事務所の公認会計士に審査を依頼することになります。
万が一審査が通らない場合は、監査チームは、審査担当者から指摘された事項について追加の監査手続きを実施することになります。
7.「監査報告書」の提出
1~6までの段階を経て、最終的に監査報告書が作成されます。
「監査報告書」には監査責任者が自筆のサインをして、監査した法人の理事会宛に提出します。
会計監査は、通常1年間かけてこのような流れで行われます。