監査費用は安ければ安いほど良い?①
2017/09/09
おそらく、ほとんどの社会医療法人、医療法人の方は、本音を言えば公認会計士監査などお金もかかるし面倒だから受けたくないのではないでしょうか。
もちろん、公認会計士の立場から言えば監査を受けて頂くメリットはあります。
・財務諸表の信頼性が増すことで、金融機関等からの与信が高まる
・不正や誤りが起こりにくいより強固な内部管理体制を構築できる
・会計処理等について専門家からアドバイスを受けられる
などなどです。
しかし、そうは入っても、会計監査はお金のかかる厄介なもの、とにかく安ければ安い方が良いと思われるかもしれません。
確かに形式的に考えれば、監査費用を多く払おうと少なく済ませようと、監査を受けた結果として受け取るのは、財務諸表が適正であると認めた監査報告書だけです(もちろん財務諸表に大きな誤りや不正があれば不適正意見が出されます)。
お気持ちはよくわかります。
しかし、何でもそうですが、値段はただついていません。
その値段にあったサービスが提供されます。
もちろん必要以上に多く払う必要は決してありませんが、物事には適正価格があります。
例えば、通常500万円する車を購入しようとしたときに、50万円ですと言われたら購入するでしょうか。
もちろん、親しい友人から「南アフリカに転勤になっていつ帰ってくるかわからないし、輸送費用もバカにならないから大事な車を大切に乗ってくれるなら安く譲りたいんだ」と言われるなど、理由が納得できるものであれば購入するかもしれませんが、よほど特殊な事情が無い限り、きっとひどい事故車であるなど何か裏があると思い、購入することはないのではないでしょうか。
監査も同じなのです。
高いには高いなりの、安いには安いなりの理由があります。
自動車と違って適正価格がいくらなのかわかりにくいかもしれませんし、安くても監査報告書さえきちんと出してくれれば良いのではないかと思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。