新会計基準のポイント
2018/12/13
平成27年度より適用されている新会計基準の基本的な考え方と主な変更点
1 新たな社会福祉法人会計基準(以下「会計基準」という。)の基本的考え方
(1)社会福祉法人(以下「法人」という。)が行う全ての事業(社会福祉事業、公益事業、収益事業)を適用対象とする。
(2)法人全体の財務状況を明らかにし、経営分析を可能とするとともに、外部への情報公開に資するものとする。
2 現行基準からの主な変更点
(1)法人全体での資産、負債等の状況を把握できるようにするため、公益事業及び収益事業を含め、法人で一本の会計単位とすることとした。
(2)施設・事業所毎の財務状況を明らかにするため、拠点区分を設けることとした。また、施設・事業所内で実施する福祉サービス毎の収支を明らかにするため、サービス区分を設けることとした。
(3)財務諸表の体系は、資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表及び財産目録とした。
① 資金収支計算書は、支払資金の収入、支出の内容を明らかにするために作成し、事業活動による収支、施設整備等による収支及びその他の活動による収支に区分するものとした。
② 事業活動計算書は、法人の事業活動の成果を把握するために作成し、サービス活動増減の部、サービス活動外増減の部、特別増減の部及び繰越活動増減差額の部に区分するものとした。
(4)資金収支計算書、事業活動計算書及び貸借対照表については、事業区分、拠点区分の単位でも作成することとした。
(5)従来の明細書、別表を整理した上で、重要な資産及び負債等の状況を明確にするために、借入金、寄附金、積立金等についてその内容を明らかにする附属明細書を作成することとした。
(6)基本金の範囲を法人の設立及び施設整備等、法人が事業活動を維持するための基盤として収受した寄附金に限定し、4号基本金を廃止した。
(7)引当金の範囲を徴収不能引当金、賞与引当金、退職給付引当金に限定し、その他引当金を廃止した。
(8)財務情報の透明性を向上させるため、1年基準、時価会計、リース会計などの会計手法を導入した。