社会福祉法人に精通した公認会計士の探し方
2016/08/25
社会福祉法人に精通した数少ない公認会計士を探したい場合、どのように探せばよいでしょうか。
まず考えられるのは、顧問税理士さんに紹介してもらうパターンです。
顧問税理士さんが社会福祉法人に精通した信頼できる先生の場合は、お知り合いに社会福祉法人に精通した公認会計士がいる可能性もあると思いますので、まず顧問税理士にお聞きになるのが早いかもしれません。
ちなみに、顧問税理士さんが公認会計士でもある場合はその方に監査も依頼したくなると思いますが、残念ながら監査には独立性が求められるため、税務と監査を両方依頼することはできません。
顧問税理士さんの知り合いに社会福祉法人に精通した公認会計士がいない、あるいは何らかの理由で顧問税理士さんに紹介をお願いできない場合は困ってしまいますね。
同じ社会福祉法人の経営者仲間に訪ねてみる、あるいはインターネットで”社会福祉法人 会計監査 公認会計士”などのキーワードで検索してみるなどの手があると思います。
しかし、良い会計士かどうか、相性があうかどうか、そして信頼できるかどうかは、やはり実際に会って話をしてみないとわからないかもしれません。
そうは言っても実際に何人もの公認会計士と会うのは大変だと思いますので、まずはホームページ等で良い公認会計士かどうかあたりをつけるうえでのヒントをお伝えしたいと思います。
それは、
ホームページに監査費用の具体的な記載があるか
です。
なぜなら、これは、
公認会計士にとって一番答えにくく、社会福祉法人の皆様からすると一番聞きたい質問だから
です。
会計監査の費用は、下記の公式で決まります。
①公認会計士の単価/日×②監査にかかる日数×③公認会計士の人数
①の公認会計士の単価/日は、事務所ごとに決まっているはずですが、監査の費用を見積もるためには、その法人に対する必要十分な監査を実施するのに、公認会計士が何人で何日かかるのかという②と③の要素も見積もらなければなりません。
しかし、この②と③を見積もるには、ある程度法人のことをお聞きし、さらに監査を受託するか否かを判断するための予備調査を実施しないと正確には出せないからです。
公認会計士は真面目できっちりとした性格の人が多く、また職業柄どうしてもリスク回避を考えがちなので、ホームページに記載することはあまりありません。
さらに、ライバルでもある他の公認会計士にも自社の価格をオープンにしてしまうことにもなりますし、仮に(ないと思いますが)同じ仕事をしてもお金のあるお客さんからは少し多めに頂き、お金のないお客さんからは値引きをしてということを既存のお客さんに対してしていると、価格をオープンにすることはちょっと…
ということもあり、公認会計士の側からするとホームページ等誰の目にも触れる可能性があるところに価格を記載することはあまりメリットがないのです。
しかし、社会福祉法人の経営者である皆さんからすると、初めての会計監査において知りたいことは色々あると思いますが、一番知りたいことの一つが、やはり監査費用のことだと思います。
ですので、監査費用についてホームページに記載があれば、顧客目線をもった公認会計士であるという推測ができるかもしれません。
また、ホームページに監査費用についての記載があれば、社会福祉法人に精通した公認会計士かどうかもある程度推測できます。
なぜなら、社会福祉法人に対する法定監査は平成29年4月から初めて義務付けられるものですので、これまでの自主監査を除き、公認会計士側も初めてのことなのです。
従って、これまで社会福祉法人に対する何らかの会計的なサービスを提供したり、新会計基準への移行支援をしたことがあって社会福祉法人に精通していなければ、社会福祉法人の監査をどの程度の人数と日数で実施できるかの見積りも難しいからです。
ホームページに監査費用の具体的な記載があるか
是非、参考になさってください。