監査費用の相場を知りたい方に
2016/08/25
これまで一部の社会福祉法人で行われていた自主監査を除き、会計監査が法律で義務付けられるのは初めてのことです。
従って、社会福祉法人の会計監査に関していうと、まだ相場はありません。
それでも何か参考になる客観的なデータを知りたいという方もいらっしゃると思います。
そんな方のために、
日本公認会計士協会が公表している監査実施状況調査
というものをご紹介いたします。
これは、公認会計士が実施した監査について、関与した会計士の人数、監査時間や監査費用を日本公認会計士協会が、客観的に統計資料として取りまとめたものです。
公認会計士監査の多くは、営利を目的とした上場企業や大企業に対して行われていますが、独立行政法人や学校法人などに対しても公認会計士監査が行われています。
社会福祉法人の会計監査は、法定監査としては平成29年度から始まるものですので、まだ監査費用のデータはありませんが、営利を目的としない組織体の監査という意味では、学校法人の監査費用が一つのベンチマークになるのではないかと思います。
平成26年度の学校法人の監査費用は以下の通りでした。
文部科学大臣所管轄学校法人
帰属収入 (社会福祉法人いうサービス活動収益のようなもの) | 監査費用(平均額) |
10億円以上15億円未満 | 3,308千円 |
15億円以上20億円未満 | 4,125千円 |
20億円以上30億円未満 | 4,501千円 |
30億円以上40億円未満 | 5,599千円 |
40億円以上50億円未満 | 6,098千円 |
50億円以上70億円未満 | 6,414千円 |
70億円以上100億円未満 | 7,905千円 |
100億円以上150億円未満 | 9,638千円 |
150億円以上 | 13,935千円 |
社会福祉法人の会計監査はこれから始まる制度ですので、社会福祉法人についての監査費用の統計は、平成29年度の監査が終わった平成30年以降とりまとめられると思いますが、社会福祉法人に精通している公認会計士の間では、上記の金額から大きく増減することはないという見方多いように思われます。
いずれにしても、会計監査人を選任する前には、
①複数の公認会計士事務所等から相見積もりを取得してある程度の相場観を養った上で、
②担当者の人柄や提案内容等を比較検討
して決められることをお勧めしています。